料理は材料や味付けはもちろん美味しさの基本的要素ですが、他に冷たい物は冷たく、温かい物は温かく、熱い物は熱い状態で食べてもらうことも美味しさを決定的にする要素です。私は旅行が好きで日本旅館などに泊まって部屋で食事をするときなど、天ぷらのなんと美味しくないことか思い知らされてきました。弁当や宴会料理での冷めた天ぷらもなんとまずいことでしょうか。
反対に家庭で作る天ぷらはプロとまではいかなくてもオープンキッチンで揚げてもらってすぐ食べる天ぷらのなんと美味しいことでしょうか。これは天ぷら専門店でカウンターの目の前で揚げたてを食べるときに限りなく近い状態だからだと思います。
私は全国250余りの高齢者住宅を見てきましたが、まれに高級有料老人ホームと言われるところで、和食の専門店が天ぷらを出しているところがありましたが、厨房から食卓までの距離や運んでくれる人手が足りないために天ぷらが冷めてしまい日本旅館で食べる天ぷら状態になってしまっていることです。多くの給食スタイルの高齢者住宅では揚げ物は一旦保温庫に入れて置き、一斉に提供するスタイルがほとんどです。多少温かみはあっても衣がべたっとしていて、天ぷら本来の熱くてかりっとした食感とは程遠い物で、長年どうしたら高齢者住宅で美味しい天ぷらを提供できるかを考えていました。少ない人手で多くの入居者に短時間で提供しなければならないという命題の解を求めていましたが、画期的な調理器具を発見しました。幸いセレスコート啓明は小規模であることを生かして従来の高齢者住宅の厨房の設計とは発想の異なる方法でこれを解決することができました。セレスコート啓明のオープンまでその方法の公開はお許しいただきたいのですが、間違いなくセレスコート啓明の揚げ物は目の前の専門店のカウンターで揚げたてを食べるということを除けば最高の揚げ物をご提供できるシステムを作り上げたと思っています。どうぞご期待ください。