野菜だけで作るトウモロコシのビシソワーズとセレスコートの朝食

北海道はトウモロコシの種類も多く下の写真は頂き物なので正式な名前がわかりませんが、生でも食べられる白い甘いトウモロコシです。私は農家の方に教わった簡単な食べ方として電子レンジの500Wなら7分、600wなら5分位で皮をむかずにそのままレンジで蒸してからまるかじりしています。皮をつけたまま電子レンジに入れるのがみそです。
 スープにするときは皮をむいて水から煮て、身をそぎ落とした芯の部分ももう一度煮てトウモロコシのエキスを絞り出します。このひと手間が野菜だけで作る濃厚なトウモロコシのスープになります。玉ねぎをバターで炒め茹でたじゃがいもと茹でてそぎ落としたトウモロコシに牛乳と芯を煮てとったエキスも加えてミキサーにかけます。裏ごししてくちざわりになる皮を取ります。あとはコショウと塩少々で出来上がりですが、ブイヨンなど入れなくても美味しいスープができます。むしろシンプルな野菜だけの味がして冷やして食べるこの時期の私の大好物です。材料すべてが北海道で作られておりまさに「ザ北海道」です。
セレスコート啓明の朝食は和食か洋食のどちらかの選択になりますが、写真は私が朝食で洋食にするときのセレスコート啓明のメニューの一つです。紅茶と自家製ポテトサラダとスモークサーモン添えのオープンサンド、トウモロコシのビシソワーズ、トマトとアボガドのサラダ、デザートは自家製のヨーグルトにイチゴとパイナップルのコンポート添えです。

漬け物はすべて自家製の減塩です

若いころはあまり漬け物が好きな方ではなかった私ですが、年齢を重ねると好みも変わってくるのか漬け物作りも楽しくなってきました。旬の野菜を使った漬物は料理の引き立て役になるばかりか食欲の落ちる夏場などはそれ自体がメインディッシュになります。でも市販の漬物は保存性を考えるせいか、どうしても塩分が高くなりがちです。セレスコート啓明ではこまめにいろいろな漬け物を作りますので塩分も市販の半分くらいの塩分濃度で済みそうです。その分素材の持つ味を感じてもらいやすいと考えています。
 夏場は体を冷やす効果のあるなすの漬物は食欲を増して疲れを解消してくれる効果も大です。また昔から高血圧やのぼせ症の人が食べるとよいとされていますが、低カロリーで低たんぱくと栄養価はあまり高くはありませんがなすに豊富なアントシアニンは抗酸化作用とともに血栓ができるのを防いだり目の疲労を改善する効果があります。
 「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉は私は美味しくて、姑の嫁いびりかと思っていたのですがどうやら子供ができる嫁の体を心配して冷えすぎる弊害を心配してのことだということのようです。なんでも過ぎたるは及ばずのようですね。
 写真は余市の住吉さんから頂いたものでぷっくりして旬のおいしそうななすでしたので8%の塩分濃度でシンプルな塩漬けにしてみました。

残暑の疲労回復に自家製ひつまぶし

最近はセレスコート啓明の建設準備で忙しく、さらに暑さも重なって少し疲労気味だと感じていたのでここらで少し元気をつけなければと思い鰻料理を作りました。
昔、関西の方から京都の老舗の鰻茶漬けを頂きました。御煎茶やだし汁をかけて食べましたが深い味わいを感じましたが、これに似たものが作れないかと思って以来自分で京都から生の山椒の実を取り寄せて作っていますが結構いけます。材料は干し椎茸、山椒の実、だし汁でじっくり煮込んで作ります。名古屋のひつまぶしのように錦糸卵と一緒に楽しんだり、お茶漬けにして食べています。
鰻は万葉の時代から強壮食品として重用されてきましたが、がん予防、ボケ予防、動脈硬化予防、眼精疲労緩和、風邪予防、美肌、骨粗鬆症予防などに良いとされています。ビタミン類も豊富で特に多いビタミンAは粘膜を強化し視覚を正常に保つ働きがあり胃腸病や風邪を予防します。多いとされる脂質も不飽和脂肪酸のEPAやDHAを多く含んでおりそれほど心配することはありません。又、皮の周囲に多いコラーゲンは肌の張りを保ち、血管を柔軟にし、がん予防にも効果があるとされています。
 こんな素晴らしい効果をもたらす鰻を飽きずにいろいろな料理の形で利用したいと思っています。

甘みを抑えた安心安全な自家製の各種コンポート(ジャム)

食の安心安全を考えるとき、市販の加工食品であるコンポートやジャムなどは合成着色料や保存料を使っている場合が多く、価格を抑える点でピュアなものは少ないです。そして高齢者住宅ですべて自家製の物を使っているところは「セレスコート啓明」だけで全国的にもないと思います。できるだけ北海道産の果実を使って砂糖を控えめにして旬の素材の持つ風味や形を最大限に残しています。主として毎朝食べる自家製ヨーグルトに添えたりデザートの材料に使ったりしています。6月から8月の時期に出回る主としてサクランボ、イチゴ、ブルーベリー、プラム、パイナップルなどを使って来年4月から入居される皆さんのためにたくさん作り置きして冷凍して保存しています。
 コンポート(ジャム)を作るときに熱を加えることで糖が反応して作られるメラノイジンという成分がありますが、これには、強力な抗酸化作用があります。これによりがん予防に効果があるといわれる活性酸素の除去や、ビタミン、ミネラルなどの吸収を良くしたり、血糖値の安定化の効果などがあります。コンポートに含まれる水溶性食物繊維であるペクチンは大腸で善玉菌のエサとなり、大腸の働きを整えます。そして、ヨーグルトの乳酸菌も善玉菌を増やすため、一緒に食べると整腸作用の相乗効果があって便秘の解消にも効果があります。

最高の健康食材釧路沖で獲れたサバでしめサバ造り

釧路沖で獲れたというサバが昨日魚屋さんにありました。50㎝近くはあろうかという立派なもので目も透き通った美形でした。それで魚屋の兄さんにこれしめサバにできるかいと聞きましたら、生でも大丈夫と答えが返ってきましたので面倒なので三枚おろしにしてくれたので買いました。
家に帰ってきてから塩を振って一時間半ほど置いてから塩を洗い流し、よく水をふき取ってから酢とみりんを入れたつけ汁に30分ほど漬けて出来上がりです。私は鮮度の良いサバはレアに近い状態で食べたいので塩も酢も短めだと思います。そのかいあって身も透き通って鮮度がいいのか歯ごたえもあり、ちゃんと程よい塩味と酢がコラボレートしています。
夕食に娘夫婦にもあげたところ札幌の一流すし店で出すしめさばにも劣らないと身内びいきの言葉をもらいました。
確かに大分の関サバや八戸の金華山沖で獲れたサバにまだ時期は早いのかもしれませんが負けないくらい美味しいのではないかと思いました。(九州東北の皆様すみません……)
ということで血栓や動脈硬化が原因の脳梗塞や心筋梗塞、ボケの予防にも良いといわれるEPAやDHAが多く含まれているサバは、さらには健康と若さを保つビタミンB群やビタミンDも含まれて良いことづくめの素晴らしい食材です。こんなにもおいしく完璧な食材が北海道にあるということでうれしくなっちゃいました。セレスコート啓明に入居される皆様釧路沖のサバで作るしめさばを楽しみにしていてください。

健康寿命を延ばす食事・・・自家製減塩梅干し造り

入居者にとって最大の関心事であります健康的で美味しい食事、と言っても主観的なものと感じられると思いますのでどのようなものが提供されるのか具体的に情報を発信していきたいと思います。

自家製減塩梅干し
市販の梅干しはどうしても保存期間を長くする必要があるために塩分濃度が高くなりがちです。一般的に梅の重量に対して20%くらいの塩を使っています。幸い北海道は湿度や温度が本州に比べて低いので、塩の量を減らしても保存状態が良いので私は12~13%位で減塩梅干しを作っています。ご承知のように塩は人体にとって必要不可欠なものですが、取り過ぎは生活習慣病の発生原因になります。梅干しに限らず他の料理も塩分を少なめにする工夫が大切です。それには材料の持つうまみをしっかりと引き出して塩分を少なくしても美味しく感じられる工夫が必要です。梅干し造りも手間暇かけて愛情をかければ美味しく仕上がります。
写真は北海道余市産の森ファームさんから購入した3Lの大粒の豊後梅で作りました。来年4月に入居される皆さんのために今年の7月に作ったものです。

札幌のサービス付き高齢者住宅セレスコート啓明の紹介

<自己紹介> 高齢者住宅研究家、シニア料理研究家        「セレスコート啓明」開設準備室 室長 広瀬正之

私は平成29年8月末現在満74歳で、医療法人社団円山公園内科理事長薮中宗之の義父になります。平成13年2月に家内を亡くしてから翌年平成14年4月から約一年をかけて日本全国47都道府県の高齢者住宅の250か所余りを見て回りました。そして札幌市内の高齢者住宅に約13年あまり居住してきた経験を持っています。
三年前、私のライフワークで夢でもありました理想の高齢者住宅の建設を目指して実家に戻り、その準備のため料理学校にも通いシニアの求める料理の研究も行ってきました。高齢者にとっての最大の願いは「健康寿命」を延ばして自立して生きていくことであります。そのためには健康的で毎日食べても飽きない美味しい食事、適度な運動、健全な心を保てられる環境、常時見守ってもらえる身近な、かかりつけ医の存在が求められます。
そしてこれらを総合的にまとめて実現化するべく平成30年4月に多くの皆様のご協力を得てサービス付き高齢者住宅「セレスコート啓明」を開設する運びとなりました。
セレスコート啓明は小規模であることを生かした家庭的な雰囲気の中で、高齢者にとって最大の楽しみである愛情あふれた季節感ある家庭料理を「医食同源」をコンセプトに医師、管理栄養士と相談の上、外部委託ではなく責任の持てる直営で健康的で美味しい食事を三食提供するものです。そして私達経済的に恵まれた高齢者は感謝の気持で地元北海道の農水産業を応援していきたいと思っており、そのために安心安全な道産の食材を出来るだけ多用したいと考えております。又建物内に併設されている内科の診療所は訪問診療にも対応しており、入居者の皆様の健康管理には特に安心していただけるかと思いますが、診療所と共に食を通じての健康寿命の確保と育成を積極的に図って参ります。
このブログの開設によって「セレスコート啓明」の準備期間中の話題や開設後の日常的な情報の中から、「食生活の様子」や「健康寿命」に関連する話題などを発信して参りたいと思います。